【一級建築士】製図試験の記述でこれだけ覚える『構造編』

一級建築士

こんにちは。

まると建築デザインブログのとくまるです。

今回は一級建築士の製図試験で出題される記述について覚えておきたいことをピックアップします。

 

この記事を読むメリット

一級建築士の記述構成について理解できる
製図試験の構造について記述対策ができる
記述の過去の合格例がわかる



一級建築士製図試験 記述

一級建築士製図試験は、7月の筆記試験を合格したのち10月初旬頃に製図試験があります。

筆記試験合格された方は、製図試験まで約2.5ヵ月程度しかなく、勉強時間が少ないのが通例です。

製図試験とはいえ、製図だけではなく、その問題に沿った記述問題が出題されるのが特徴であります。

製図だけに熱量を注ぎたいところですが、合格採点には筆記にたいする割合も半分程度あるみたいです・・・

つまり、合格にかなり左右されてくるのが、記述問題です。

記述問題と言って、甘く見ていると悲惨なことになりますので、注意しましょう。

時間配分

一級建築士の製図試験で記述問題にかけられる時間は1時間程度です。

1時間あれば大丈夫でしょう!

と思われる方もいますが、書き込む量がなんとも多い・・・(泣)

また、最近では記述に沿った、図示(補足図)も必須となっており、さらに書き込む量も増えてきています。

私の間隔では、1時間手を止めることなく書き進めて、完成するといった感じでしょうか。

つまり、考えている時間はほぼないといっても良いでしょう。

そのために、記述では、要点を抑えておき、すぐに書けるようにしておかなければいけません。

記述問題の構成

一級建築士の製図試験では、おおよその出題さる問題が決まっています。

主に4つの以下のカテゴリーに分かれているのが特徴です。

①:計画について

②:構造計画について

③:設備計画について

④:その他(環境負荷低減)

今回はその中でも構造計画に重点をおいて解説していきたいと思います。

記述 構造計画について

構造計画は、4つのカテゴリーの中でも最も記述内容が変わりません。

そのため、暗記すれば覚えられるとスラスラ書けるので、必ず覚えましょう。

基本的な出題傾向としては、

・構造種別・架構形式・スパン割・主な部材寸法について

・目標耐震性能

・勾配屋根の構造について

・特定天井の構造について

・無中空間について

・基礎構造・地盤について

この辺りがよく出題される傾向となっています。

それでは、1つずつ確認していきましょう。

構造種別・架構形式・スパン割について

問題例

建築物の構造種別・架構形式・スパン割について考慮したこと及び主要な部材の断面寸法

 

答案例

構造種別は、施設の用途を考慮し、耐震性、耐火性、耐久性に優れた鉄筋コンクリート造を採用した。架構形式は、平面計画の自由度が高く靭性に優れたラーメン架構とした。スパン割は、極力整形な形状とし、7m×7mとし、断面に無理のない計画とした。
【部材寸法】 大梁:450×800 小梁:300×600 柱:750×750 壁:200 床:200
解説
よく出題される問題でありますので、この部分は必ず抑えておきましょう。
この問題では、構造種別・架構形式・スパン割について記述して下さいと書いてあります。
そのため、1つ1つに分けて書いておくこと(構造種別は・・・)(架構形式は・・・)で、採点者に理解してもらいやすく記述するのが大事です。
目標耐震性能について

問題例

建築物に設定した目標耐震性能を達成するために考慮したこと

 

答案例

・高い耐震性能を有する建築物とするため、柱や梁の断面を余裕のある基準で設定した。
・利用者の年齢が幅広い施設であるため、地震時における円滑な避難が困難であると考え、震度5程度の中地震時においては建物の損傷はなく、震度7程度の大地震においても軽微な補修で対応できる建物被害に抑えるように目標耐震性能を、構造体としてⅡ類相当に設置し建物を計画した。
・耐震強度を高める高める耐力壁の計画を、平面的にも立体的にもバランスの良い配置計画となるよう配慮した。
解説
この問題では、耐震性能を上げるために考慮した点を記載します。
記述の文章が短い場合は、別項目に分けて、何種類か書くのもおすすめです。
例えばスパン割を均等にして耐震性能を高めた。ということでも良いかと思います。
また、耐力壁を求められ問題もありますので、出てきても記載できるようにしておきましょう。
勾配屋根の構造について

問題例

勾配屋根の架構計画について、その特徴及び特に特に配慮したこと

 

答案例

・勾配屋根はRC躯体で計画し、同一構造によるシンプルな架構とした。
・切妻屋根の棟の位置がスパンの中央となるため、水平力の伝達性に配慮し、屈折梁を避け、中央スパン梁を直線梁とした。
・部材の剛性の違いに配慮し、3階柱の内法高さをなるべく差の少ない構造とするため、屋根勾配を2/10と緩勾配とした。
解説
この問題では、勾配屋根が出題された際に出る問題です。
今回も記述の文章が短い場合は、別項目に分けて、何種類か書くのもおすすめです。
勾配屋根は、建物のスパン割(屋根の架け方)によって文章も異なってきますので、エスキス段階に注意しながら書いていくのが良いかと思います。
特定天井の構造について

問題例

特定天井について、その特徴及び特に特に配慮したこと

 

答案例

・天井材の単位面積質量は20kg/㎡以下とした。
・吊り長さは、3m以下で、均一の長さとなるようにした。
・吊り材は1本/㎡以上を釣合い良く配置した。
・斜め部材はV字状に構成し、ふり幅を小さくするようにした。
・壁との隙間は6㎝以上のクリアランスを設けた。
・照明器具、空調機等に脱落防止のワイヤー等を設けた。
解説
この問題では、6m以上の諸室が出題された際に出る問題です。
特定天井は6m以上を超え、面積200㎡を超える場合に必要となってきます。
詳しくは、こちらをご参考下さい。
細かい数値を記載することで、採点者に理解していることをアピールすることができます。
そのため、細か数値まで覚えるようにしておきましょう。
また、イメージ図も必要となるので、そちらも合わせておぼえるようにしましょう。
無中空間について

問題例

無中空間を必要とする諸室の構造に対しての注意点を述べよ

 

答案例

・無中空間を構成し、大スパンを支持する大梁には、プレストレストコンクリート梁(500×1000)を採用して長期間たわみやひび割れを抑制する。
・一般部と同一のRC構造とすることで、接合部での応力伝達を明確にするとともに、経済性にも配慮する。
・プレストレストコンクリート梁を受ける柱については800×800とし、他の柱より配筋量を増やす。
解説
この問題では、無中空間を指定されたときに出題される問題です。
基本的には、大梁をプレストレストコンクリートにする必要がでてくるので、その内容を記述に記載しましょう。
基礎構造・地盤について

問題例

地盤条件や経済性を踏まえて計画した基礎構造について、「採用した基礎構造の形式」、「基礎底面のレベル」、「基礎梁の寸法」等について特に考慮したこと ※GL-2.0がN値40の砂礫層とする

 

答案例

・5階建ての鉄筋コンクリート造であり、建物重量も重いことから、剛性の高い地中部の構造体とするためべた基礎を採用した。
・支持地盤となるGL-2.0以深のN値=40以上の砂礫層まで基礎底面が到達するように、基礎梁寸法を500×2500mmとした。
解説
この問題では、基礎構造の問題としてよく出題されます。
基本的にはべた基礎を採用することが多いと思いますので、回答の流れを書き込めるように記憶しておきましょう。
こちらも、基礎構造の採用理由、基礎底面れべるについて、基礎梁について、順番に記述しています。
問われた文言順に記述していくように心がけていきましょう。

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